あの日から5年

2011年の忘れられないあの日から5年。
テレビで追悼番組や、原発事故のこと放送されていました。

私は、5年前インフルエンザにかかって熱でまだモウロウとしていたのだけど
いっちゃんの顔の毛伸びたなぁ～と思ってトリミングテーブルを出して
テレビの前でカットしている最中でした。
食器棚の中の食器がカタカタ言っていて、引っ越したばかりのマンションは
大型車が通ったくらいで食器棚が揺れるんだ…と思っていたら、小さな揺れが
やがて大きな揺れに変わりました。

あわてて出口を確保するためにドアを開けて、引っ越しで使ったダンボールが
あったのでそこにヘタ～っと座りこみ、エレベーターがガンガンぶつかる音を
聞きながら、東海沖地震か関東大震災がとうとう来てしまったのだと思い、
いちろーとゆちゃを両脇に抱えて呆然としていました。

揺れがおさまったので、室内に戻るとまた余震が襲ってきました。
玄関はあけたまま。
何をすれば良いのか、一瞬焦りました。

地震の多い北海道で暮らしていたので、やらなければならない事は訓練で
刷り込まれていて、まずは「水」の確保！と思いお風呂や鍋や水を入れるタンク
全てに水を入れて、停電を予測してオニギリを作るためにゴハンを炊きました。
（冷静なようで手は震えていました）

震度５の経験はあるものの、ガスが自動で止まる地震は初体験でしたので…
もう電話は繋がりませんでした。
そうこうしているうちに、パパが帰ってきて私たちは立ったまま座らず
放送されていた津波が町を這っていくシーンを、逃げて！逃げて！と言いながら
見ていたのです。それは、映画のCGを見ているような映像でした。

どうにもならない、何もできない。
あの交差点にとまっていたパトカーはどうなったのだろう？
呑みこまれていくビニールハウス、家、車…
絶望しかない映像・・・。

そして5年が経って、その時の映像がテレビで放送されて・・・
この5年、津波の映像を見るたび涙が止まらなくなります。
もっと前から感じていましたが、PTSDなのだと思います。
見ているだけだった何もできなかった無力感と喪失感。
その日から、私は眠れなくなりました。


原発が危ないと、すぐに情報が入ってきました。
めぐるさんという原発にとても詳しい人がいて、震災がある少し前から
スカイプで勉強会をして頂いていたのです。
スカイプで、どうしたら良いのかを深夜ずっとKKWSの仲間で話していました。

自分たちのための対処、愛犬のための対処など。
「飲料水の確保」については、阪神淡路大震災を経験したお友達がサーバーの
存在を教えてくれて夜中にWEBサイトから申し込みを完了させることができました。

激しい余震が続くなか、被災地の様子がテレビに映し出されやがて原発が爆発
しました。街中のスーパーやコンビニから食べ物や生活雑貨等が消えました。
石原都知事が、テレビで水道水にヨウ素が含まれているので乳幼児には、飲ませ
ないようにという会見を開きました。
乳幼児を抱えたお母さんたちは、消えたお水（ペットボトル）を自動販売機を
探し求めながら自転車で回っていました。

換気扇を回さず、窓に目張りをして、屋外に置いてあったものは食べないように
外に出ないようにと初日は繰り返し言っていたのに、数日すると直ちに影響は無い
という放送に変わり、40歳を超えた人は被曝しないヨウ素も大丈夫というデマが
流れ、知らない人は水道水を飲んだと思います。

めぐるさんから、ヨウ素が出ている間は浴槽にお湯をためてお風呂に入っては
いけないと言われていたので、私たちはそれを守りました。
犬は、お散歩に出てもいけないと言われたのでそれも守りました。
ゴミステーションに行く距離でも、外に出る時はマスクをしました。

ポータル311というボランティアグループで、被災地の皆さんが一時的にでも
避難できるように、避難先の受け入れ先を調べ表を作るために連日連夜、ほぼ
徹夜で皆で作業しA3に60枚くらいになる表を作成しました。
原発事故で入れないエリアができ被災地にお米や水を届けるのにとても苦労しました。

紀里谷さんから預かったお金で関西から物資を送ってもらうことができ、田村市に
物資が無事届くまでの時間も問題も今となってもまるで昨日のことのようです。




ユーリ・バンダジェフスキー博士の2度による来日の講演。
その後、外国記者クラブでの会見。
スチールの撮影を担当したことで、貴重なお話を聞くことができました。


5年の間に、色んな事がありました。




今日、防御プロジェクトの中でご活躍下さった方が突然亡くなったという
訃報が届きました。
恐れていたことが始まっています。
メルトダウンしていたことも、開かされて報道されて、当時の懸念が全て
当たってしまっていたことに憤りを感じつつ、訃報に動揺しつつな1日でした。


東日本大震災で被災された方々、避難生活が継続されたままの方々にとって
一日も早く、心と人生の復興がなされますよう祈っております。
そして、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
報道ステーションで報道されました、被曝した子どもたちの健康が少しでも
守られますよう祈ります。
物資の支援にご協力下さった関係者の皆様、ありがとうございました。


今後もportalの活動は続けていきますが、私たちボランティアグループに
眠れない日々が再び来ないことを願います。











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